二度楽しむドライポイント ― 版画と転写紙づくりの小さな旅
版画づくりには、いつも独特の静けさがある。線を刻むときの集中、インクをのせるときの緊張、そして紙をめくる瞬間の高揚感。ドライポイントはその中でも、身近な素材で気軽に挑戦できる技法だ。
柔らかい下敷きや塩ビ版など、身の回りの素材に針を走らせるだけで、版が生まれる。今回は柔らかい塩ビ版を使い、細かな線の表情を楽しんだ。
ドライポイントの魅力は、版画として刷るだけでなく、インクを変えることで“転写紙”も作れるところにある。ひとつの版から二度楽しめるというのは、手仕事好きにはたまらない贅沢だ。
白及でつくる、昔ながらの転写紙
転写紙づくりには、白及(びゃくきゅう)を使う。紫蘭の球根を粉にしたもので、昔から接着剤として親しまれてきた。すり鉢で丁寧に擦り、水を加えて練り上げると、やわらかな糊ができあがる。
紙は和紙を選ぶ。いろいろ試してみたが、しっかりドーサ引きされた、テカりのある紙が最もしっくりきた。白及と和紙の相性が良いのだろう。赤い顔料を白及だけで練り上げたものを使うと、素朴で深みのある色が出る。
転写紙は多めに刷っておくとよい。刷り上がった紙を並べて乾かしていく時間もまた、静かで心地よい。
転写の薄いところは、筆で息を吹き込む
刷り上がった転写紙を眺めていると、ところどころ薄く写った部分がある。そんなときは筆をとり、そっと補っていく。版画と手描きが混ざり合い、作品に独特の味わいが生まれる瞬間だ。
版を彫る時間、白及を練る時間、紙を選ぶ時間。どれも小さな作業だが、その積み重ねが作品に静かな深みを与えてくれる。
ドライポイントは、決して難しい技法ではない。簡単なすり方で、誰でも気軽に挑戦できる。版画と転写紙、二つの表情を楽しめるのも魅力だ。
手を動かす喜びを、ぜひ味わってみてほしい。
必要であれば、タイトルの調整や文体の変更、さらに文学的な雰囲気を強めることもできます。
ドライポイントで版画作りと転写作り、ドライポイントの絵の具を変えれば版画に版画と転写紙が作れます。二度楽しめます。簡単なすり方でできるので挑戦してみてください。
ドライポイントは柔らかい下敷きやエビ版に彫り込みます。今回は柔らかい塩ビ版に彫りました。転写紙はたくさん刷っておきましょう。
転写紙 作りには白及をすり鉢で擦ります。水を入れてよく練ります。白及は紫蘭の球根を粉にした物です。
紙は和紙を使います。
接着剤は白及を使います。赤の顔料を白及だけで練り上げて作りました。和紙もいろいろ使って試験してみたんですが。 やはりしっかりドーサしている。和紙の方が良いようです。テカりのある楮紙だと思っています。結果を見てください。 転写が薄いところは筆がきします。


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